情報編集力をアップしてモードチェンジせよ――藤原和博氏が語る人生100年時代の働き方 

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グロービス経営大学院の在校生と卒業生が一堂に会し、各界で活躍する経営者や政治家、学者の方々を呼んで開催したカンファレンス「あすか会議2018」。その人気セッション「人生100年時代 戦略的モードチェンジのすすめ」をお届けします。(全3話)動画版はこちら>>

自分の中で革命を起こそう

皆さんおはようございます。「教育界のさだまさし」です(会場笑)。今日は「革命はいつもたった1人から始まる」というメッセージとともに進めたいと思います。皆さん一人ひとりは、たぶんいろいろと、「世の中を変えよう」「自分が革命を起こしてやる」という風に考えていると思います。そのためには自分のなかで革命を起こさなきゃいけないんだけど、僕はそれを応援していこう、と。そこで、僕はこの20年でいろいろな本を出してきましたが、今日はその“最終章”かもしれない『45歳の教科書 戦略的「モードチェンジ」のすすめ』(PHP出版)という、最近書いた本のなかから1番のエッセンスを皆さんに伝えたいと思います。

あすか会議での僕の講演は、「ライブ」って言いたいんだけど、もうYouTubeに5~6年分アップされています。観たことがある人はちょっと手を挙げてみてください。…ほとんどですね。そのうち1番すごかったのは「たった一度の人生を変える勉強をしよう」という、3~4年前のやつ。もうすぐ40万回。他の動画は数万回です。なぜその1本の再生回数だけが突出しているのか。たぶんですね、すごい早口で詰め込んでるんです。なので、今日も“生1.5倍速”みたいな感じでいってみようかなと思うんで、ついてきてもらえればと思います。

順番としては、まず「情報編集力をアップしてモードチェンジをしよう」と。これはきっと皆さんも合意済みですよね。この情報編集力というものの中身を今日はきっちり理解したうえで、どうすればそれを高めることができるのか、掴んでいただきます。

次に、その情報編集力を仕事に応用するということで、ホリエモンやキングコングの西野君もすごく騒いでくれている「3つの三角形」についてお話しします。3つのキャリアの大三角形で自分の希少性を圧倒的に高めよう、と。オリンピックメダリスト級の100万人に1人という確率にまで高める。これをしっかり掴んでいただきます。そのあとは情報編集力の、人生への応用。人生と仕事と勉強の真の目的は何か。グロービスで学んでいることも含めて、その目的は皆さんの信用(クレジット)を創造して蓄積すること。これが大事なわけです。

この信用の創造が先で、儲けとか稼ぎは、そのあと。先に報酬を上げようとして転職したりすると失敗することがすごく多いですね。とにかく最初に信用を創造して蓄積するのが大事なんだということを掴んでいただくのが、最後のお話であり、今日のメインコンテンツにもなります。そういう話でいいですか?(会場拍手)…はい、大丈夫ね。

生きる力の逆三角形とは?

早速ですが、まず情報編集力が何かということについては、皆さんの予習が効いてると思うので今さら詳しく話すつもりはありません。ただ、今資料でも見てもらっている「生きる力の逆三角形」というのを、よく念頭に置いていただければと思います。

生きる力逆三角形

まず、逆三角形の1番下は基礎的人間力ですね。これ、「体力」「忍耐力」「精神力」「集中力」「持久力」等々書いてありますが、基本は皆さんが家庭生活で、あるいは幼いときの家庭教育や環境またはコミュニティで学んできたことです。中学高校だと部活で鍛えたりしてね。ちょっと鍛え過ぎちゃった日大みたいのもありますが(会場笑)、とにかく基礎的な人間力がベースです。

逆三角形の左側に書いたのが、情報の扱いのうち、正解を早く正確に言い当てる力。これは「情報処理力」と呼んでいます。記憶力にものを言わせて徹底的に正解を覚えたり、正解の出し方を覚えたりする。「1+2は?」と言われたらすぐ「3」と答えることのできる力です。これを日本の学校っていうのは戦後一貫して鍛えてきましたよね。だから「情報処理力偏重」もしくは「正解主義偏重」と僕は呼んでいます。

その教育が悪かったのかというと、そうじゃないんです。欧米にモデルがあって、正解があって、それをキャッチアップすればいいのなら、いち早くしたほうが良かったわけですから。優秀なブルーカラーにホワイトカラー、つまり処理能力の高い労働力を育てるため、これが正解だったんですよね。

ところが10年少々前から、もっと言うと1998年から日本は成熟社会に入ってきて、今はもう正解がたった1つなんていう問題がほとんどなくなってしまった。おそらく皆さんの仕事でも、1つの正解があるような問題はむしろ珍しいと思います。今はそういうものをすべてコンピューターがやってくれますから。

だから人間が今やるのは正解が1つじゃない問題で仮説を出すことですね。自分の知識・技術・経験のすべてを組み合わせて仮説を出していくこと。しかも、そこには他者が介在します。ですから、「納得解」と僕は名付けていますが、他者も自分も納得するようなその仮説を、知識・技術・経験のすべてを組み合わせてどれほど生み出せるか。そういう力のことを「情報編集力」と呼ぶ、と。こういうことですよね。

これ、私の本で何度も書いてありますから、たぶん皆さんもこの話は50%ぐらい納得してるんじゃないかなと思います。「その辺はだいたい分かっている」という人だけ拍手くれる?(会場拍手)…はい、無理矢理させていますね(会場笑)。

これを75%ぐらいの理解度に高めたいということで1つワークをやります。左の情報処理力と右の情報編集力が1発で分かるやつ。まず3~5人でグループ組んでもらいます。それで自分の脳をつなげて拡張して、想像力を膨らませて頭を柔らかくしたうえで、発想してもらうということをあとでやりますが、先に皆さんの情報処理脳を試してみたいと思います。

世の中にある「白いもの」。「白が基本」「白が常識」「はじめは白」というものがあると思うんです。たとえばホワイトボード。黒かったらシャレにならないですよね。それから、何がありますか?ノートでもいいし牛乳でもいいです。今僕は3つ言いましたけど、これを短時間で20個挙げてください。1分しかあげません。3人から5人でガガガガっと20個挙げる。いい?世の中で「白が基本」「白が常識」「はじめは白」ってやつを20個。いきましょう、3、2、1、はいどうぞ。横の人とでも縦の人とでもいいし、3~5人で。

(ブレスト1)

はい、じゃあそこまでにしてください。この短い時間で、僕がさっき言った3つを含めていいから10個以上挙がったところは?(会場多数挙手)…ですよね。勘のいい人はもう分かったと思いますが、今皆さんが使ったのは情報処理脳です。自分が知っていること、自分の記憶にあることを、速く正確にバッバッバッと出しましたよね。知らないことは言わなかったと思うし、それは混じってもいなかったと思う。

これを情報編集脳にがちゃっと切り替えます。ここで何が必要かというと、掛け算なの。情報編集力っていうのは掛け算との相性がいいから、掛け算ということをちょっと覚えておいて。何を掛けるかというと、今日は「黒」。黒という色を掛けます。つまり白が当たり前の商品に黒を掛けたら、意外や意外、結構格好良くなったり高級感が出たりして絶対ヒットするんじゃないか、と。あるいは「自分なら黒のほうを買う」というのがあると思うんですよ。今度はそれほどたくさん挙げなくていい。さっきのグループで、たとえば「白いもの」を十数個挙げていたら、そのうちの3つだけでもいいから挙げてみてください。あと、そのなかで他のグループも考えそうなやつは捨ててください。

実際、そういうことをやってヒットしたものはいっぱいあります。たとえば綿棒。白が基本なものを黒にしたら「あ、見える」みたいな。何が見えるか分かんないんだけど(会場笑)、それでヒットしたんですよね。そういうものもあります。だからここではもう綿棒は出したらダメですよ?ということで、ちょっと他のグループが考えそうにないことを発想してみて。

1つだけ注意しときます。これ、佐藤さん鈴木さん田中さんがそれぞれ独り言を口にしてるうちはブレストになりません。ブレインストーミングですから、「脳の嵐」なんで、佐藤さん鈴木さん田中さんの脳が外に出てきて、そこで化学変化が起きなきゃだめなんですよ。だから互いのいろいろな発言に刺激されて「0.1秒前には思ってもみなかったことを言っちゃってる私」みたいな、そういうのがいなきゃダメなの。そうやって引き出されたなかで、たまにすごいアイディアが想起することがあるわけですよね。

本当にヒットしそうな凄いアイディアが浮かんだら、それは、黙ってたほうがいいです。後日特許庁でちゃんと登録してから言いふらした方がいいので(会場笑)。いいですか?じゃあ、いきましょう。時間は1分半ぐらいしかあげません。そのなかで、情報処理脳から編集脳に切り替えて。できたらね、バカな意見から言ったほうがいい。「これなんて黒にしたら面白いぞ?」って、面白おかしく。あと、それぞれ皆がいろいろなことを言ったら、その都度褒めてあげて。拍手してもいい。とにかく酔っ払っちゃったようにやるほうがブレインストーミングはうまくいって、いいアイディアが出ますから。いきましょう3、2、1、はいどうぞ。

(ブレスト2)

はい、じゃあそこまでにしてください。本当はね、ここで皆さんには一斉にアイディアを言ってもらいたいの。200人全員に自分のアイディアを。だけど、それは人間には聞き分けられないでしょ?でも、それを聞き分ける技術がついに出てきたわけです。それがICT。なぜ僕が一条高校の生徒たち全員に個人のスマホを持たせてWi-Fiでつないだかというと、こういうとき、スマホで全員に意見を言わせるためです。「C-Learning」というソフトでつないだ状態にして、メールの要領で自分の意見を20~30字バッと入れて送信ボタンを押してもらう。そうすると、生徒たちの意見がずらっと並んで出てくるわけです。

これ、無記名だから、とんでもないものやくだらないものも混ざるんですけど、そのなかにきら星のようなアイディアがある可能性はあるじゃないですか。そんな風にして意見を言わせる、あるいは質問をさせる。だって、この場で「質問は?」って聞かれてもなかなか質問しにくいじゃない。でも、「(スマホで)全員質問してね」って言えば質問しやすいじゃないですか。今はだいたい2分間で200字ぐらいフリック入力できちゃう子もいるから。高校生以下はもう別人種だと思ったほうがいいです。

それから、とりわけ授業の評価。これは2分もかからない。授業が終わったあと、「じゃあ、『よく分かる』から『分からない』まで、4段階で授業の評価を入れてね」って言えば、生徒たちの授業に対する評価がすぐグラフになっちゃう。そういうやり方もあるんです。今日はそのやり方はしませんが。

とりあえず、あと2つぐらい黒の例を挙げますね。意外なところではトイレットペーパー。スマホで「トイレットペーパー 黒」と入れていただいたら通販で売ってるのが分かります。ホテルで黒いトイレットペーパーを導入したらすごい高級感が出てヒットしたんです。家のトイレで似合うかどうかは、俺は分かんない。やってみないと分かんないですね。あとは、まな板。白が基本ですが、黒いまな板。帝国ホテルのシェフに友人がいるんですが、実際、黒いまな板を使ってるらしいです。「白い野菜を切るときに安全で見やすい」みたいな。とにかく、そういうものがいっぱいあるわけです。

たった今この瞬間、日本中のおそらく数千社、それから世界中の数十万社で、こういうことをやってますよ。要するに情報処理力でパターン認識してしまいがちな常識や前例から頭を解いて、情報編集脳で掛け算して新しい付加価値を付ける。そういう商品やサービスを生み出すっていうことを、もう皆が必死にやってるし、皆さんもそういうのに慣れてるんじゃないかと思います。

情報編集力を鍛えるには?

では、あと2連発、ちょっとやってみようかなと思います。かき氷が好きな人、ちょっと手を挙げてください。(会場多数挙手)…はい、これもちょっと有名な、僕の「よのなか科」のお題です。かき氷って、お皿を持ってスプーンで食べるじゃないですか。そうすると両手がふさがりますよね。だから、スマホを使いながら、あるいはLINEをしながら食べられないじゃないですか。もしスマホを使いながら、あるいはLINEをしながら食べられる、つまり片手で食べられるかき氷をつくれば、中高生のあいだで爆発的にウケると思うんですよ。

では、先ほどのチームで今から片手でかき氷が食べられる方法を開発してください。これはもう情報編集脳を使わなきゃ駄目ですね。1分間で。いきますよ?3、2、1、はいどうぞ。

(ブレスト3)

はい、そこまで。これね、知ってる人は知ってると思う。このブレストを1年以上やり続けた結果、実際の商品として形にまでしたメーカーがあります。埼玉県の赤城乳業というところです。皆さんも小中学生も絶対に食べたことがあると思う「ガリガリ君」。1年間4億本以上売れる商品ですが、そのルーツが「片手で食べられるかき氷」だったわけですね。

この会社のスローガンっていうのはすごく面白い。コーポレートスローガンって、普通は「愛される車を世界に」とか、貢献がなんちゃらとか、「地球のために」なんちゃらとか言うじゃないですか、綺麗ごとを(会場笑)。この会社のスローガンたるや、おかしくて、「あそびましょ。」なんですよ。ここに、実は情報編集力の謎の一端が隠されているんです。

情報編集力っていう「遊び」の側の力なんですね。だから10歳ぐらいまでにどれほど遊んだかっていうのがベースになります。情報処理力というのは頭の回転の速さ。でも情報編集力は頭の柔らかさ。頭の回転が速くて柔らかい子が、頭のいい子なんですよね。というわけで、情報編集力側は、遊んでない人にとってはなかなか難しいということが見えてきたんじゃないかと思います。

では、もう1発、ちょっと鍛えるということを2分ぐらいでやりたいと思います。僕は企業の研修で「自分プレゼン術」という練習をよくやっていますが、その1つである「共通点探しゲーム」というのを一緒にやってみたいと思うんです。脳をつなげて互いに情報編集力を効かせて、相手の世界観を探り出す。そうして2分間で2個以上の共通点を探して欲しいんです。ただ、共通点といっても、「どっちもメガネをかけてる。共通点だね」だと志が低過ぎ(会場笑)。もうちょっとレイヤーの低い、レアな共通点を探し出して欲しいんです。

皆さんだって、会話のなかでその話題が出てきたとき、互いに「え!?」って、嬉しくなっちゃうことってあるじゃないですか。だから嬉しくなっちゃう共通点。たとえば、ぜんぜん関係ない隣の人と話してたら、「え!?小学校区、一緒じゃない!」とか「飼ってる犬種、同じじゃない!」みたいな。「どっちも野球好き」なんていうのは数百万人いますから、それじゃダメですよね。でも、たとえば「大阪にいるけど阪神ファンじゃなくて、楽天のことを弱かった時代からずっと応援してた。赤見内銀次選手のファン」なんていうのが共通していたら、もう抱き合ってもいいぐらいの感じ(会場笑)。

そういう、ちょっと嬉しくなっちゃうような共通点を互いに引っ張り出して欲しい。相手の脳にある映像というか世界観を探り出すような感じで、そこから共通点を探していくというということをやってもらいたいと思います。いいですか?2分間で2つ、ちょっと嬉しくなっちゃう共通点を探り出してください。いきましょう。3、2、1、はいどうぞ。

(共通点探しゲーム)

はい、そこまで。この短い時間で1個以上、1個でいいいですけれども、「1個はちょっと嬉しくなっちゃう共通点が出た」っていうところは?(会場ほとんど挙手)…大半ですね。いい感じですね。これ、20分ぐらい続けても疲れません。続けてもらって、ちょっと嬉しくなっちゃう共通点が5~6個、あるいは7個目ぐらいになると、もう結婚してもいいって感じになると思います(会場笑)。ぜひそういう婚姻促進剤ということで使っていただければと思います。

これを皆さんが働く職場のあちこちで縦横斜めにやれば、あちこちで絆が見つかりますよね。で、もう1つ言っておきたいんですが、今僕は急がせましたので、たぶん「興味がある」とか「好きだ」とか、あるいは何かを持っているとか、そういうプラスモードでだけ聞いたと思います。でも次はマイナスモードで。たとえば過去の挫折、それから失敗や病気ですね。

僕だと30歳のとき…、まあそれまでは順風満帆でリクルートの営業マンから課長・次長・部長・本部長までやったんだけど、30歳のときにメニエール病という、目の前がグワッと回っちゃう病気になって、5年ぐらい後遺症が残った。たとえばだけど、このなかでメニエールになった人がいたら、もうまったく無条件に今日昼飯おごりますよ(会場笑)。いやほんとに。

そういうことですよね。要するに共通点でもマイナスモードのほうが、より絆が深くなるというのは人間のコミュニケーションの特性です。ですから、プラスモードだけじゃなくてマイナスモードが大事ということをよく覚えておいてください。人生の前半で溜め込んだ挫折や失敗あるいは病気からの克服ですよね。そういうマイナスモードの話が深ければ深いほど、それを面白おかしく話せる技術を持てば人生後半が豊かになります。つまり反転してきます。なぜなら、人っていうのはそういう話に寄ってくるから。

前半の山のほうの、要するに自慢話をずっと繰り返している人からは友達がどんどん去っていきます。わかりますよね?ということで、そのマイナスモード話を豊かに蓄積していきましょうね、と。「信用」ということを言うと、なにかこう、強いほうばかり見せる人がいるんだけど、そうじゃないんですよね。マイナスモードも育てることが大事だということを、ちょっと学んでいただきたいと思います。

はい、ここまでざっと、情報編集力をどう高めるかということをやってきましたが、情報編集力については「10歳までにどれほど遊んだかがベースになるっていうのはよくわかりました。だけど、大人になってからどういう風に鍛えればいいんですか?」っていう質問をよく受けます。遊びのほかには、留学、あるいは場を変えるというのもあります。場所を変えると、もう一度「自分軸」から世界を編集しなきゃならないので、その負荷がかかります。つまり負荷をかけなきゃダメなんですよね。

それから本を乱読するというのもあります。乱読してると、だいたい300~500冊ぐらいあたりから今度は自分が書きたくなってくる。言葉が溢れてきます。で、その言葉は、たぶん皆さんがブログでなんとなく独り言で書いていた日本語から変化してるはずです。乱読で文書が自分のなかに刻み込まれてくると、そういう再編集が起こる。すると、ちょっと違う文章になるでしょう。ですから本気で自分の今の悩みや迷いを書籍にして出版するつもりで、乱読を先行させて書いてみたらいいと思います。

あとは、病気を味方につける。僕は30歳でメニエールになって、それで「営業本部長から常務・社長」みたいな、そういう道は閉ざされたと思うんですね。「それやったら死ぬな」と思ったから、もう専門職になって30歳から10年間、年収を固定しちゃったわけです。それで会社を辞めたのが40歳。そういうことも含めて著書には書きましたが、とにかく病気を味方につけてモードを変える。それによって、会社人間から会社内個人として、組織人じゃなくて組織内個人として、もう一度世界を再編集するという、そういう手もあるわけです。

じゃあ、5つ目は何か。ほかにもいろいろな手段があると思うけれども、皆さんは情報編集力をどう鍛えてきたか。「これ、いいですよ?」というのがあれば、その知恵をちょっと公開したいので、先ほどのチームで1分だけ話し合ってみてください。僕が今話した4つ以外の5つ目について。いきましょう。3、2、1、はいどうぞ。

(ブレスト5)

はい、そこまで。もちろん、これは5つだけじゃないですよね。いくつあってもいいんです。いずれにせよ、今皆さんが挙げたのが「納得解」。自分の仮説です。それを言ったとき、「ああ、なるほどね」と、他の人にとっても納得感の高い仮説のことを、「自分が納得し、かつ関わる他者が納得できる解」ということで納得解というわけです。これからはそれを、頭を柔らかくしてどれほど紡ぐことができるかという勝負なんですね。

そういう力を情報編集力というわけですが、それを鍛えるための5番目は…、今日は敢えて言いましょう、「グロービスに行く」ですよね(会場笑)。ここで音楽が流れてロゴが表示されて、コマーシャルタイムですわ、20分経ったから(会場笑)。

1955年東京生まれ。1978年東京大学経済学部卒業後、株式会社リクルート入社。東京営業統括部長、新規事業担当部長などを歴任後、1993年よりヨーロッパ駐在、1996年同社フェローとなる。2003年より5年間、都内では義務教育初の民間校長として杉並区立和田中学校校長を務める。08年〜11年橋下大阪府知事の特別顧問。16年4月より奈良市立一条高校校長として生徒所有のスマホを100%活用し世界初の「スーパー・スマート・スクール(SSS)」を目指す。著書は『リクルートという奇跡』『つなげる力』(ともに文春文庫)、『藤原先生、これからの働き方を教えてください。』(ディスカヴァー)など累積133万部で講演回数も1200回を超える。人生後半戦の生き方の教科書『坂の上の坂 55歳までにやっておきたい55のこと』(ポプラ社)は12万部を超えるベストセラーに。日本の技術と職人芸の結晶であるブランドを超えた腕時計「japan」(文字盤漆塗り)や「arita」(文字盤白磁)を諏訪の時計師とファクトリーアウトレット方式でオリジナル開発し、第7弾まで完売。高校時代はバスケット部だったが、弱くてもっぱら強い女子バスケ部の相手をさせられた。いまは女子テニス部の練習に参加。3児の父で3人の出産に立ち会い、うち末娘を自分でとり上げた貴重な経験を持つ。詳しくは「よのなかnet」http://www.yononaka.net に。

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