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ユアマイスター星野氏「トップを走る中で学んだ、周囲がいてこその自分」

投稿日:2023/12/18更新日:2023/12/21

MBAの真価は取得した学位ではなく、「社会の創造と変革」を目指した現場での活躍にある――。グロービス経営大学院では、年に1回、卒業生の努力・功績を顕彰するために「グロービス アルムナイ・アワード」を授与している(受賞者の一覧はこちら)。

今回は2023年「創造部門」の受賞者、ユアマイスター株式会社 代表取締役社長 星野 貴之​氏にインタビュー。授賞式のスピーチで語った「自分の命を誰かのために使っていきたい」「未来に対し、何かを果たしていきたい」という“志”に至った理由、そのプロセスの結果としての起業、そして今後の展望を聞いた。(インタビュアー:山岸 園子)(前後編、前編)

起業時から宣言していたアルムナイ・アワード受賞

山岸:今回はアルムナイワードのご受賞、本当におめでとうございます。私、今回の星野さんからお話を伺うにあたって、Facebookのメッセージを見返していたんです。
そしたら、ちょうど起業された2016年のやり取りで「起業するからには、アルムナイ・アワードをとります」と宣言されていて。

星野:ありがとうございます。なんと、そんなこと言っていたんですか(笑)

山岸:それから7年越しに、本当に受賞されたわけですね。今はどのような感想を持たれていますか。

星野:まだまだ自分は成し遂げていない、満足していないつもりなので、正直受賞のご連絡を頂いても、自分がやってきたことがあまり大きなことだとは思えていなかったんです。 しかし、相対的に見れば星野貴之という人間、そしてユアマイスターという会社に評価を頂ける部分もあるのかな、と。そしてそういった評価は、受けると周囲の方が喜んでくれるんですよね。それはとても大切なことですし、実際受賞してみると、声をかけて頂く機会も増えました。そう改めて考えると、今回の受賞はとても大きな出来事だったのだなと思います。

限りある命を最大に使うために、急速な成長を求めた

山岸:まずは星野さんのキャリアについて振り返ってみたいと思います。元々、幼少期から政治家になりたいとお考えだったそうですね。それを前提として、なぜ新卒で楽天に勤めることにされたのですか。

星野:21歳の就職活動中に大病をしたんです。人との接触が長期間禁じられる病気だったのですが、独立して生活をしたことで周りの人への感謝を強く感じましたし、ある種「自分って自分のために生きているだけなんだな」という情けなさのようなものに出会いました。だからこそ、限りある命は誰かに使いたいと思うようになりましたし、であればやっぱり政治家になろう、と思ったんです。

そこで、「1年で3年分の成長ができる」と言われていた当時の楽天のように、被選挙権を得られる年齢になるまでの期間を見据えて、早期に辞めたとしても成長できる会社を選びました。またトップのレベルが組織の伸びを決めると思っていたので、当時有名だったソフトバンクの孫さん、サイバーエージェントの藤田さん、そして楽天の三木谷さんの3人どなたかの下に行きたいと思っていたこともありました。

山岸:星野さんの中で、ビジネスの中で成長するとは具体的にどのような意味だったのでしょうか。

星野:私は人よりも競争心とリーダーシップに長けていると思っていたんです。営業で1位になり、上に上がいない状態になれば自分の成長だと。そこでトップの営業成績を目指そうと決めていました。

楽天で気づいた、「周囲がいるから自分はやれている」ということ

山岸:実際に楽天では楽天市場の営業トップになっていらっしゃいますね。24、5歳ぐらいの頃かと思いますが、何をしたから1位になったのだと思われていますか。

星野:「こいつに任せときゃ大丈夫」と思われるようにやり続け、かつ期待以上の成果を出し続けたこと。そしてその前の何もない時から常に「自分にやらせてくれ」と手を挙げていたこと。この2つだと思います。

とにかく自分には時間がない、と思っていたんです。やったことがないと言っても、近いうちに死ぬかもしれないし、やらなかったら何も進まない。いつかできるようになる、の「いつか」は僕にはない。だから失敗する可能性もあるけど、手を挙げ続けていました。

山岸:病気をされたことにより得た死生観、そして次の目標設定が明確だったからこそのお考えだったのですね。もうひとつ、結果を出し続ける、というのはこれもまた著しく難しいわけですよね。星野さんご自身は、なぜ結果を出し続けられたと振り返っていますか。

星野:単純に人の3倍行動していました。最初は手当たり次第に、ある程度経験を積んだら成功パターンに沿って、とにかく間違いなく最初から行動量をこなしていましたね。

山岸:多分、世の中の多くの方は、人の3倍頑張ることは難しいのではないか、と思います。星野さんは、なぜみんなは人の3倍頑張れないんだろう、と思う時期はありましたか。

星野:自分が営業として成果を上げていったときに、なんでみんなやらない理由や文句ばっかり言うんだろう、やればいいのに、と思ったことはありました。

ただ一度、上司から「そういう人がいるから君とその成長があるんだよ」と言われたことがあったんです。
君は目標を高く持って「やる」というけども、それだけでは成立しない。サポートしてくれる人や、お前を信頼して、託していいと思っているみんなの心を大事にしないと、お前のこの加速的なキャリアも止まるし、成立しないんだぞと言われたんです。

ナンバーワンになった時や、社長賞を取った時には、自分でも「自分の力じゃないな、周りがそうさせたいと思ってくれて、後押ししてくれたからだな」と心から思えたんです。あの上司の言葉があったからこそ、見えた景色が違ったのだと思います。

山岸:その気づきは、人生においてものすごく大事だったのではないかと思います。

三木谷氏の近くで学んだ、トップオブトップの要件

山岸:その後東京本社へ異動し、役員の育成プログラムに推薦され参加されています。その頃は役員になりたかったんですか。

星野:なりたい気持ちは勿論ありましたが、変わらず政治家にはなると思っていましたし、そのためにいつか絶対辞めると思っていました。なので、お話を頂いたときも受けるべきかどうかは悩みました。当時は既にグロービスに通っていたので、田久保さん(グロービス経営大学院副研究科長)にも相談しましたね。

それでも、人と違う経験をしたら伸びるのであればこの経験は大きな価値があると思ったんです。また、グロービスでMBAを学んで、楽天の経営は経営学に則っているということに気づいたということがありました。原理原則が実践でどう使われているのか。これをより近くで学べるのであればと思い、参加することにしました。

山岸:実際に三木谷さんという方の近くで働いてみて、どんなことを吸収されたのでしょうか。

星野:三木谷さんの仕事を隣で見て学ぶ中で感じたのは、ものすごい努力家であること、志や目標が高いということ、そして「リーダーの上に立つリーダー」であることでした。

私の直属の上司は三木谷さんの右腕である副社長兼CFOだったのですが、三木谷さんを含め役員の方々がそれぞれ補完関係にあり、強みを活かしたチームになっているなと強く感じました。

また日本を代表する起業家・経営者でありながら、会社のことだけではなく、日本や世界に対する当事者意識・課題意識を強く持っている方なんですよね。元々そういった考えを持っていて、実際にそれができる立場になって、日々よりそう思っているからこそ、変わり続けている方なのだと思います。

山岸:メンバーにもっと当事者意識を持ってほしいリーダー、あるいは持ちたいと思っている個人はたくさんいると思うんです。自分の当事者意識が高ければ高いほど、周囲にストレスをためている人も多そうです。そういった方々に、何かアドバイスはありますか。

星野:当事者意識、あるいは起業家精神はすべて学べるものではなく、おそらく先天的に持つものか、あるいは伝播されるものだと思います。僕は伝播される場所にいたし、伝播させる力が強い人の近くにいたから開花したのだと思います。内発的に生み出すのは難しいから、伝播される場に連れていく、自ら行くことが大事です。

山岸:そういう意味では、楽天という会社は当事者意識を開花させるには極めて良い環境だったということですね。

得るものが何かわからないぐらいの方が成長できる

山岸:そしてそこから現在のユアマイスター社を起業されます。楽天では学びも多く、また政治家という先の目標がある中で、なぜ起業という選択肢を取ることにされたのでしょうか。

星野:役員育成プログラムではIRに所属したのですが、金融を知ることによってビジネスの幅が広がり、また世界中を回ったことによって価値観も変わりました。本当に多くの経験をさせていただき、日々難題に挑戦しながら、成長できているという自信は持っていました。

だた、周りからもらいすぎている分、本当に自分の実力があるかどうかは半信半疑だったんです。結果は出ているけど、これは楽天特有のものなのかもしれない、と思い、自信を確信にするために一度場所を変えてみようと転職することになりました。

ですが、当時は自分の見る目がまだなかったこと、また三木谷さんがすごすぎたので、いろんなサービスはあっても「いい経営者」がいないと思ってしまったんですよね。

そんな話をエージェントの方にしたところ、それだったら自分が経営者になるか、そういった経営者を増やすための仕事、つまりベンチャーキャピタリストになるかだと。

そこでベンチャーキャピタルの方とお会いしたところ、起業家としていいね、と言って頂いたのですが、実は「絶対起業はしない」と前から思っていたんですよね。実家が事業をやっていたので大変さも知っているし、最終的には政治家になると思っていたので。

ですが、具体的なビジネスプランの話をしにオフィスに行く直前に「今日、運命が変わるぞ」と降ってきたんです。パン、と。

山岸:直感があったわけですね。

星野:年に1回ずつぐらいあるのですが、僕はこの感覚をすごく大事にしていて。改めて考えても、楽天を辞めて失うものは楽天のキャリアだけで、得るものは見えている。起業して失うものは楽天のキャリア、得るものはわからない。ということは、得るものが何かわかんないぐらいの方が成長できる。

27歳で現場と経営の意思決定を見てきた経験を持っていることに、多くの起業家を見つけてきたキャピタリストが、可能性があると言って大きなお金を出してくれる。たった1時間半ぐらいしか喋ったことがなかったけど、そう言ってくれるなら、それまでのものを全て捨ててでもやる価値はあるんじゃないか。そう思ったんです。

後編へ続く

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