インスタ人気の裏にある「承認欲求」って何? 

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最近、特に若者の間で人気を博しているSNSが、写真や動画の共有に特化したInstagram(インスタ)です。このインスタ上で、フォロワーから「いいね!」をたくさん貰えるような写真うつりのよさを指す言葉「インスタ映え」は、今年を代表する流行語となりそうな勢いです。

なぜインスタがこれほどまで人気を博しているかについて、「人々の承認欲求を上手く刺激しているからだ」といった説明を目にしたことがある人は多いのではないでしょうか。今回はこの「承認欲求」について整理してみます。

「承認欲求」という言葉は元々心理学の用語で、読んで字のごとし、他者から認められたいと思う感情のことを指します。ビジネスパーソンの間では特に「マズローの欲求5段階説」に絡んで有名でしょう。

「マズローの欲求5段階説」とは、アブラハム・マズローが人間の基本的な欲求を「生理的欲求」「安全欲求」「所属と愛の欲求(社会的欲求)」「承認欲求」「自己実現欲求」の5段階に分類した理論です。この5つは単なる分類ではなく、図のように低次から高次へと段階になっていて、人間は、低次元の欲求が満たされると、より高次元の欲求を満たしたくなるというように成長を求めるものだと考えました。

古典的な理論で、実証面では批判もあるものの、組織に属する人のモチベーションを見極めたり、マーケティングで顧客の心理を分析したりと、分かりやすく普遍性が高いことから、今でもさまざまな場面で活用、言及されています。

もともと、人がSNSに魅力を感じる理由としては、承認欲求の1つ下の段階、所属と愛の欲求で説明が可能でした。所属と愛の欲求とは、社会から求められている、良い組織・コミュニティに所属している、その中で愛情に包まれていると感じたいというものです。フェイスブックで、同郷、同窓など様々なカテゴリで「友達」が増えたり、自分の近況に「いいね」がついたりするのは、正にこの所属と愛の欲求を満たすものと言えます。

フェイスブックに代表されるSNSは、ご存じのとおり、今や全世界で相当程度普及しました。つまり、所属と愛の欲求はある程度満たされていると感じる人が増えたわけで、そうなると次の段階として承認欲求がクローズアップされてくる、というのはなるほど自然な成り行きです。

では、なぜインスタが承認欲求に応えられるのかというと、写真・動画の共有に特化している点が実は大きいのではないかと思います。写真は、その被写体の選択、構図、光の処理などによって、見る人に与える印象は変わります。つまり、同じ場所に行って同じ風景を撮ったとしても、「いい写真」は分かりやすいのです。

時あたかも、インスタの流行に少し先行する形で、スマホのカメラ機能が格段に充実してきていました。自撮り棒によって多様な角度・構図も可能になりましたし、「SNOW」をはじめ、撮った写真を加工するアプリは百花繚乱の様相にあります。またインスタは、実生活でつながりがない人でも、投稿した写真を気に入ってくれればフォロワーになっていきますし、「いいね」もつけてくれます。

このように、写真・動画という良し悪しが目に見えて分かりやすいものについて、自分のセンスや腕次第によって好評価を集められるところが、「承認欲求」を求めるユーザーの空気にフィットしたのではないでしょうか。

ちなみに、インスタは2012年にフェイスブック社に買収されています。もしこのようなユーザー心理に訴求する点の、フェイスブックとの違いまで読んで買収したのだとしたら、たいへんな慧眼ですね。

マズローによれば、承認欲求には2種類あり、1つは他者からの名声、注目を求めるものですが、より高次な承認欲求は自己肯定感や自立性など自分自身の評価の高さによるものです。また、承認欲求の次の段階は、自己実現欲求です。近い将来は、こうした欲求を刺激するようなサービスが覇権を握るのかもしれません。

【参考】
マズローの欲求5段階説とは?【特選!グロービス学び放題】

 

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