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本当に論点を出し切り、当事者になりきって提案したか――JBCC受賞者に聞く

投稿日:2017/07/27更新日:2019/04/09

去る7月23日に開催された「日本ビジネススクール・ケース・コンペティション2017」(以下JBCC)において、グロービス経営大学院の学生が優勝(西沢隆チーム)と準優勝(三井敬二チーム)を同時受賞した。日本企業が抱える問題をテーマに、全国のビジネススクール生が解決に向けた戦略提言を競う本大会。彼らはMBAの学びをどう活かし、受賞につなげることができたのか――両チームのリーダーに成功の要因を振り返ってもらった。

本当に論点を出しきったのか疑ってみる

右から西沢隆氏(リーダー)、大橋さやか氏、臼井康晴氏、光田敬輔氏

西沢隆氏: 実はよく知ったメンバーでチームを組んだわけではない。去年は気心が知れたメンバーで出場した。しかし、大好きな仲間であるがゆえに、喧嘩することが怖くなってしまい、ぶつかりきることができなかった。今年は空中分解することになっても徹底的に議論をぶつけあえるように、あえてそれほど話したことはないが、なんだか惹きつけられた人に11月頃から声をかけ、3月に今のメンバーになった。

直接議論をしたのは16回。とはいえ遠方から新幹線通学しているメンバーもいるし、家族の時間も重要。そのため、Face to Faceとオンライン会議を併用し、論点のすり合わせはLINEグループを使って事前に行い、資料もグーグルドライブで事前に共有した。LINEのやり取りは、5千通以上になっていた。そのおかげで、会った時にはすぐに議論に入ることができ、限られた時間で生産性の高いアウトプットをすることができた。

グロービスの学びでは、クリティカル・シンキングが役立った。課題からイシューを見つけてピラミッドストラクチャーを作るという共通の思考法を全員持っていたので、意識合わせはしやすかった。しかしそれでも、論点を出し切るということがいかに難しいことかを身をもって感じた。

予選通過後、卒業生に本選の様子を聞きつつ気になる点を相談していたところ、「まだ論点を出し切れていないのではないか。社長の立場で考えるべきことを各々で書き出してみてはどうか」と言われた。4人で論点を改めて出し、合計100以上になった項目を照らし合わせてみたところ、これまで議論していなかった新たな論点がたくさん出てきた。それらの小論点をもう一度カテゴリ分けして中論点、大論点にまとめていく過程で、決定的に欠けている視点があることに気付くことができた。「ストーリーができていてよかった」と講評でコメントいただけたのは、まさにこの作業の賜物だと思っている。クリティカル・シンキングの奥深さを知ることができた。

今後は、まずは今回の学びを振り返って言語化したい。そうすれば実務においても再現性が高まり、質の高いアウトプットができるのではないかと思う。また、節目節目でグロービスのネットワークを介し、多くの人に助けてもらったので、その恩をこれから挑戦するグロービス生にしっかり繋いでいきたい。さらに全国のビジネススクールで学ぶ同士にも広げていき、共に高め合っていければと考えている。

常に自分ごととして考えることでリアリティが生まれる

右から宇良純一氏、八木理恵氏、三井敬二氏(リーダー)、山本龍太氏

三井敬二氏:クラスだけでなくプライベートでも仲の良い、遠慮なく意見し合える関係の仲間に声をかけた。予選までは2、3日に1回、本戦出場が決まってからはほぼ毎日Face to Faceかオンラインで徹底的に議論した。

グロービスのクラスはケース・メソッドと言って、ケースの主人公になりきって課題に取り組むよう求められる。そのため、普段から「自分であればこの状況でどう意思決定し、周囲のステークホルダーをどう巻き込むか」ということを繰り返し考えてきたことが、リアリティあるストーリーにつながったのだと思う。

私個人としては、グロービスの学びでは、特にストラテジック・リオーガニゼーションが役立った。事業再生における定石的ステップを押さえた上で、その組織の歴史を踏まえ、過去の経営陣や従業員の気持ちに配慮しながら、業務プロセス上の悪いクセをどう改善するかなど、細部まで気を配ることができたと思う。

今回、シーバスリーガル・イノベーション賞も同時にいただいた。実はチームメンバーの1人が以前家具販売業界で働いており(※)、戦略系クラスを受講した際に当該事業における新ビジネスプランを作っていた。それをベースにチームで徹底的に磨きを掛けたことが、革新的な提案として評価をいただけたポイントだったと思う。クラスの中では逃げ出したくなるくらい講師から詰められ続けたプラン、それがこんな形で役立つとは…。

また、関西人の気性なのか、私たちは戦略オプションを評価する際に「それ、ホンマにおもろいか?」ということを重視していた。結果的に、審査員の方から「てんこ盛りやんか!」「お前ら、イノベーティブだ!」と講評をいただけ、狙い通りになってよかった(笑)

現在は一般の研究職として日々の業務に励んでいるが、今後は会社の戦略を策定し、仲間とともに全力で実行していく立場の仕事に就きたいと考えている。今回の学びを大いに活かし、社会を彩る一助となっていきたい。

※本年度のケースは家具業界に関するものだった

日本ビジネススクール・ケース・コンペティション2017とは

主催: JBCC2017実行委員会
参加対象: 国内ビジネススクールの学生
趣旨: 日本企業が抱える問題をテーマに、課題を分析し解決に向けた戦略提言を競う
審査方法: 書類審査(予選)、プレゼンテーション(本選)
本選審査委員:
一般社団法人日本ターンアラウンド・マネジメント協会 理事 許斐義信氏(審査委員長)
株式会社経営共創基盤 代表取締役CEO 冨山和彦氏
株式会社経営共創基盤 取締役マネージングディレクター 木村尚敬氏
経済産業省 産業再生課長 三浦章豪氏
ペリノ・リカール・ジャパン株式会社 マーケティングマネージャー クリスティアン・エルンスト氏
ダイヤモンド社 ハーバード・ビジネス・レビュー 編集長 大坪亮氏
コーポレート・ドクター株式会社 代表取締役 大川康治氏
フロンティア・マネジメント株式会社 代表取締役 大西正一郎氏
株式会社ドリームインキュベータ 執行役員 三宅孝之氏
賞金: 優勝30万円、準優勝5万円
後援: 経済産業省

 

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