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ファシリテーションのプロに聞いてみた! 相手が話したくなる働きかけとは?

投稿日:2024/04/04更新日:2024/04/15

会議や意見交換会、1on1など、コミュニケーションを通じて合意形成や情報共有をしたり、アイデアを引き出したりする場はビジネスパーソンにとって日常的だ。そんな場においてファシリテーションスキルは必須だが、実践のうえで重要なポイントとは何だろうか。
グロービス経営大学院やGLOBIS学び放題においてコミュニケーションやリーダーシップ領域で教鞭を執り、「ファシリテーションのプロ」とも言える林講師に、日々学びと仕事に励むGLOBIS学び放題アンバサダーのみなさんが聞いてみた。

ファシリテーションで本音を引き出す「さばき」の3ステップ

――ファシリテーションとはコミュニケーションを円滑に進めるための技術であり、チームの能力を最大限引き出すために必須なスキルです。会議などで日常的に活用するだけに、課題を感じている方も多いと思います。まずは関係性がまだできていない相手とのコミュニケーションにおけるファシリテーションについてお話ししていきます。

岡澤さん

岡澤:私は営業戦略を中心とした事業企画を検討するチームに所属しています。その中で営業など現場の方にインタビューをする機会があるのですが、現場を知らない企画の人間が急に来たと思われているのか、なかなか本音を話してもらえません。どうすれば心理的安全性を高め、本音を引き出すことができるのでしょうか。

林:関係性がまだできていない相手から本音を引き出すというのは難しいことで、すんなりできなくて当たり前です。なかなか胸襟を開かないタイプの人もいますし、考えていることを言語化するのが苦手な人もいます。逆の立場だとしたら、どんな状況だと話したいと思えるでしょうか。 

岡澤:まずは傾聴でしょうか。でも傾聴だけでは足りない気もします。

林:そうですね、傾聴は非常に重要です。相手が話し始めるには、話しやすい状況を作ってあげる必要があります。話しやすい状況のつくり方についてはGLOBIS学び放題の『質問力を上げるためには「ファシリテーション」のステップを理解せよ!』の動画でも解説していますが、ファシリテーションの「さばきの3ステップ」が手がかりになるでしょう。

1つ目は、「引き出す」。その際はまず、相手が負担を感じず安心して話せるような「前置き」を伝えると良いです。また、ちょっとしたことですが、人間は自分の名前に反応しますので、なるべく相手の名前を呼ぶのも効果的です。

特に、ハードルを下げる枕詞をつけること、は私自身いつも重視しています。例えば「難しいことじゃなくて日々思っていることを教えて欲しいのですが」「ぱっと思いついたことで構いませんので」「言いづらいことでも愚痴でも悪口でも何でもよいので教えてもらえたら嬉しい」などと最初に伝える。すると相手はぐっと話しやすくなりますよね。
さらに応用すると、相手が猫をかぶって本音を話していないなと感じたら「概ね賛成だということはわかったのですが、実はこの部分だけは賛成できないということはありませんか」「本当は言いたいけれど喉元で止まっていることはないですか」など、裏を取りに行くような質問を意図的に投げかけるのはかなり有効です。

 また、質問に際して「営業に関する課題をすべて挙げてください」と言われるより「準備の段階で困っていることは?」「育成に関することで課題に感じていることは?」など、切り口を具体的にした方が答えやすいはずです。一番単純なのが「課題に感じていることはありますか?」といったYESかNOで答えられる質問です。こうしたクローズドクエスチョンから始めた方が反応しやすいですよ。オープンクエスチョンとうまく組み合わせて活用してください。

2つ目のステップが、「受け止める」。つまり傾聴ですね。例えば私が「今日一番嬉しかったことは何ですか?」と質問して、岡澤さんが答えてくださったとします。その返事に私が「ふーん、そうですか」と答えた時と、「そうですよね、感動しますよね!」と答えた時で、印象は違いませんか?

岡澤:全然違いますね……。

林:傾聴する時は、相手の言っていることを正しく理解するだけでなく、共感することも大事です。理屈に合わないようなことでも、愚痴でも何でもいったん全部聞いて、共感する。反論したりアドバイスしようとしたりせず、「残業が多くてキツかったんですね」「これが苦手なんですね」と受け止めるわけです。これを実践するのは実は非常に難しいので、苦手な人は訓練した方がいいですよ。

3つめのステップは「方向づける」です。自分がこのインタビューで、現場でコンプライアンスが守られているかを知りたいという場合、単刀直入にその質問をするわけではなく、段階的に聞きたい内容に持っていく必要があります。 

例えばまずは「営業の現場で困っていることはありませんか」と聞き、思った内容が出てこなければ「他にはありませんか」「コンプライアンス周りで面倒だと感じることはありませんか」など、聞きたい方向に持っていくわけです。ある程度のシナリオに基づいて方向づけをしながら、相手の本音を探っていくといいですね。

意思決定の場には「情」と「理」両方の要素を最大限盛り込む 

――続いて、ファシリテーションの実践において「理屈」と「感情」のバランスをテーマにお話ししていきます。

濱田さん

濱田:私はメーカーで総務を担当しています。GLOBIS学び放題の『質問力を上げるためには「ファシリテーション」のステップを理解せよ! 』の動画で「理」と「情」の使い分けについて解説されていたと思うのですが、いろいろな立場やキャラクターの人が集まって会議をする時にどうバランスをとるかが難しいと感じます。感情論になりすぎる時もあれば、理屈に寄りすぎる時もあるのですが、どう判断して使い分けていけばいいのでしょうか。

ファシリテーションの「理と情の使い分け」を知りたいときはGLOBIS学び放題

林:非常に奥深い話ですね。人間は一見理屈で反対しているように見えても、実は感情で反対している場合も多いものです。実は重要な意思決定のほとんどに感情が深く関わっているということは多くの研究結果からわかってきています。つまり、合理的なだけでは関係者の本当の合意を引き出せないということです。

濱田:「情」も重要ということですが、限られた時間の中で複数のアジェンダがある場合、ある程度事務的に進めていく必要もあると感じています。

林:その通りですね。アジェンダが5個あってそれを30分で決めなければならないとしたら、重要な論点のみに絞り込む必要があります。すでに合意が取れているものは飛ばして、この論点の議論に20分使おうと決めるなど、どこに時間を割くかを最初に決めるわけです。 

そのうえで私が意識しているのは、「情→理→情」の順番で両方の要素を最大限盛り込むこと。

コミュニケーションは雑談から始めた方がスムーズですし、最低限の信頼関係を築けるので、心理的安全性も担保できます。「最近仕事はどうですか」「週末は何をしているのですか」など、鉄板の雑談ネタを用意しておくといいですよ。

このように冒頭に意図的に「情」を入れ、そこからシームレスに「理」に移って本題に入り、合理的に決めていきます。ベースとなる人間関係ができていれば、事務的に決めていけることも多いはず。合理的に決めるとは、ある必要な論点に対して根拠に基づいた結論をすり合わせることなので、あらかじめ資料を渡して読んでおいてもらうなどして論理構造を早めに共有しておくといいですね。

そして最後はまた「情」で締めくくる。特に意思決定のプロセスでこじれた場合、そのまま終わると次に招集しにくくなります。そこで「今日は白熱しましたね。もし言い過ぎてしまったところがあったら申し訳ありません」と多少相手の溜飲を下げるなど、後味の良い締めくくり方をすることは重要です。

濱田:ファシリテーションにおいても、次につなげることが大事ということですね。

林:その通りです。ですから、ワンショットではなく長期的な関係性になることをにおわせることも大事です。長く関わるのであれば相手もこちらも、うかつなことはできませんからね。

ネゴシエーション編はこちら


ファシリテーションの基本概念を理解しよう

林講師の話にも登場した「さばき」やその前提となる「仕込み」など、ファシリテーションには押さえておきたい基本概念があります。GLOBIS学び放題では、ビジネスの原理原則〜最新トレンドまで体系的に網羅しており、ファシリテーションについても動画で学ぶことができます。

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