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『AIが答えを出せない 問いの設定力』――「いま改めて」ビジネスパーソンが持つべき能力・スキルとは

投稿日:2024/04/01更新日:2024/04/02

ビジネスパーソンにとって、「自分が仕事で成果を出していくために必要な能力・スキルとは何か」「自分が仕事で期待ほどの成果を出せないとき、不足している能力・スキルは何か」は、永遠のテーマと言えます。
特に近年、社会経済の環境変化が激しく、生成AIの出現などで仕事の仕方そのものが変わるかもしれないとの言説を目にする機会も多いなかでは、なおさらです。

本書は、ビジネス知識を手軽に学べる定額制動画学習サービス「GLOBIS学び放題」の事業リーダーを立ち上げから一貫して務めている著者が、自身の経験を基にこのテーマに取り組み、答えをまとめたものです。GLOBIS学び放題は、2016年のサービス開始から執筆現在までには累計会員数が92万人を超え、急速にビジネスパーソンの間で浸透したサービス。仕事に必要とされる能力・スキルのリアルな感覚を語るのに、うってつけの存在でしょう。

依然として人間に求められる能力と代替される能力

本書によれば、これからの人材に求められる力として、以下の3つが挙げられます。

1. 問いの設定力

2. 決める力

3. リーダーシップ

そしてこの3つの質に大きな影響を与えるものとして

4.  自分らしさ(≒自身の人生観、哲学、志など)

が、より重要になるとしています。

中でも強調されているのが、タイトルにもなっている「問いの設定力」です。これは、「そもそも何を解決するべきなのか?何を理想とするべきなのか?」といった問いを設定する力を指します。生成AIが強いのは問いに対して正解を発見する力であり、人間がこの力を高めてもいずれ代替されてしまうリスクがある、だから問いを「設定する」方の力を高める必要がある。加えて、意思に関する問いや「イマ、ココ」の状況判断に関する問いなど、AIにも答えにくい問いが存在するため、そうした問いを設定し答えていくのは依然として人間に求められる力である、といった指摘には説得力があります。

問いの設定力を高める5つの方法

筆者の感じた本書の特長は、「問いの設定力」を高めるための方法論を5つに整理しているところです。すなわち、

①   イマ・ココでの重要性を考える

②   適切な順番に沿っているかを考える

③   ゼロベースで考える

④   より進化させる

⑤   「自分らしさ」を再発見する

に分類したうえで、たとえば④の進化させる方法でいえば、他の選択肢はないかと「広げる」、原因や理由となる背景などを「深める」、あえて自分の考えに対する「反論を求める」、より一般的汎用的な話へと「抽象化する」という具合に、具体的に実務で試してみやすい方法が多数紹介されています。
⑤の自分らしさの再発見については、一見すると「問いの設定」とは関係が薄いように思われるかもしれません。しかし、本書で紹介される方法をヒントに、これまでの自分を形作ってきた価値観や志向、現在の自分の関心や評価、そして将来自分が進みたい方向性といったことを掘り下げ、明確に言語化して認識すると、なるほど確かに周囲の物事に対する問題意識が鋭敏になり、より視座が高く、かつ地に足の着いた問いを発することができそうに思えてきます。取り組みやすい方法論の紹介と、「その方法を試みた結果、こんなことができるようになる」というステップの分かりやすさが、本書の大きな長所です。

これからの時代に「仕事ができる」人になるために

ここまで「1.問いの設定力」を強調しましたが、もちろんこれだけがあっても不十分です。問いに対してどんなに立派な答え候補が示されたとしても、「2.決める力」が無ければ仕事は前進しません。また、問いを投げかけるだけ投げかけて後はお手並み拝見という姿勢では周囲の人はついてきません。ゆえに責任をもって他者に働きかける「3.リーダーシップ」も必要です。

「問いの設定力」に留まらず、「決める力」「リーダーシップ」をセットで身に付けてこそ、これからの時代に「仕事ができる」人になることでしょう。


AIが答えを出せない 問いの設定力
著:鳥潟 幸志 発行日:2024/4/2 価格:1,680円+税 発行元:クロスメディア・パブリッシング

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