『創造と変革の技法~イノベーションを生み続ける5つの原則』出版へ 

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吾人の任務』(2002年出版)、『人生の座標軸』(2004年出版)、『創造と変革の志士達へ』(2009年出版)に続く4冊目の書き下ろし、『創造と変革の技法~イノベーションを生み続ける5つの原則』を出版することにした。僕にとっては、最後の書き下ろしになるかもしれないと思っている。理由は、簡単だ。全てを出しきった感があるからだ。

書き下ろし以外では、『MBAマネジメント・ブック』、絶版となった起業関係の本2冊とキャリア本1冊、そして『日本を動かす「100の行動」』がある。

『吾人の任務』では、僕がなぜグロービスを起業し、どういう考えやビジョンを持っているかを時系列に書いてきた。『創造と変革の志士たち』では、創造と変革の志士になるために、どのような能力が必要とされているかを明らかにしたうえで、グロービスの教育理念に従って育成方法、必要な人間的資質などを説明した。『人生の座標軸』では、僕の個人的な生き方を、個人、家族人、組織人、日本人、アジア人・地球人として描いてきた。


その3冊をグロービス経営大学院の学生に読んでもらった上で実施する学長セッションでは、「どうやったら創造と変革が実行できるか」という質問が多数寄せられる。そこで僕の体験をもとに、創造と変革に必要な具体的な方法論をまとめてみようと思ったのだ。

グロービス経営大学院は、「創造と変革の志士を輩出する」という理念を掲げている。僕なりに定義すると、「創造」とは、ユニークな発想でゼロベースから革新的なものを作り上げるプロセスのことだ。新しいビジネスモデル、商品、マーケットを創り出す。ネット上で新しい流通チャネルを立ち上げること、AIやロボティクスをもとに新しい組織モデルや経営プロセスを考え出すことも含まれる

「変革」は、既存のものを変化させ、改善させるプロセスだ。どの企業でも、時間の経過や状況の変化につれて、常に何らかの変革を遂げなくてはならない。ゼロから何かを生み出す「創造」と、既存のものをさらに進化・成長させる「変革」は、経営で最も難しい部分だと言われている。だからこそ、グロービスではその難しい創造と変革を教育理念の根幹においている。

グロービスを創業した時点から、グローバル化が進むことはわかりきっていた。だからこそ英語によるMBAも一早く導入した。だが、想像を超えて圧倒的に進化しているのが、テクノロジーだ。まさに指数関数的なスピードでインターネットが広がり、ソーシャル化、ブロードバンド化が進んでいる。AI、ロボティクス、ビッグデータ、IoT(モノのインターネット)などが登場し、どの業界もその影響を免れることはできない。特に今後5年から10年は、変化の度合いがもっと激しくなるだろう。

その一方で、どれほど環境や時代が大きく変わろうとも、不変のものがある。創造と変革の方法論もその1つだ。今の時代を生き抜くためだけではなく、100年後にも通用する「創造に挑み、変革を導く」ための鍵は何か。僕がとことん考えて行き着いたのが、次に挙げる5つである。

1. 可能性を信じ、志を立てる
2. 人を巻き込み、組織をつくる
3. 勝ち続ける戦略を構築し、実行する
4. 変化に適応し、自ら変革し続ける
5. トップの器を大きくし続ける

単に会社を起こして株式を上場するだけなら、この5つの要件が揃わなくても可能だろう。しかし、瞬発的な成功ではなく、継続的に価値を生み出している会社、あるいは、日本を超えて世界で通用するサービスや戦略を創り出した会社や人を思い浮かべてみると、この5つがすべて備わっている。どれか1つでも欠ければ、そこそこの成長で留まってしまう。だから、創造と変革を目指す人には、ぜひともこの5つを念頭に置いてほしいと思う。

本書は2部構成となっている。前半は、創造と変革の5つの鍵を1つずつ解説していく。後半は、今の僕が、夢中になって取り組んでいる日本を良くするG1サミットの活動、水戸における地方創生や、囲碁・プロバスケットボールなどの文化・スポーツにおける創造と変革を具体例として追記した。

この創造と変革の技法を活用して、新たなスタートアップが起こり、企業の変革が行われ、地方創生、さらには文化・スポーツの分野に至るまで、日本社会の創造と変革が進むことを祈念している。

皆さんと本でお会いできることをとても楽しみにしています。

2018年9月12日
堀義人

【書籍情報】
創造と変革の技法~イノベーションを生み続ける5つの原則
(目次)
第1部 創造に挑み変革を導く5つの技法
1. 可能性を信じ、志を立てる
2. 人を巻き込み、組織をつくる
3. 勝ち続ける戦略を構築し、実行する
4. 変化に適応し、自ら変革し続ける
5. トップの器を大きくし続ける

第2部 5つの技法で社会を良くする
6. 日本を良くする―G1とKIBOWの挑戦
7. 地域を良くする―水戸再生プロジェクトと地方創生
8. 文化・スポーツを良くする―茨城ロボッツ、日本一を目指す

京都大学工学部卒、ハーバード大学経営大学院修士課程修了(MBA)。住友商事株式会社を経て、1992年株式会社グロービス設立。1996年グロービス・キャピタル、1999年 エイパックス・グロービス・パートナーズ(現グロービス・キャピタル・パートナーズ)設立。2006年4月、グロービス経営大学院を開学。学長に就任する。若手起業家が集うYEO(Young Entrepreneur's Organization 現EO)日本初代会長、YEOアジア初代代表、世界経済フォーラム(WEF)が選んだNew Asian Leaders日本代表、米国ハーバード大学経営大学院アルムナイ・ボード(卒業生理事)等を歴任。現在、経済同友会幹事等を務める。2008年に日本版ダボス会議である「G1サミット」を創設。2011年3月大震災後に、復興支援プロジェクトKIBOWを立ち上げ、翌年一般財団法人KIBOWを組成し、理事長を務める。2013年6月より公益財団法人日本棋院理事。いばらき大使、水戸大使。著書に、『創造と変革の志士たちへ』(PHP研究所)、『吾人(ごじん)の任務』 (東洋経済新報社)、『人生の座標軸』(講談社)等がある。

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