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【日経コラム】水戸ど真ん中にカフェアリーナ誕生

投稿日:2017/09/20更新日:2019/04/09

9月末、プロバスケットボールBリーグの2期目のシーズンが始まる。僕がオーナー兼取締役を務める茨城ロボッツは、日本人3選手、外国人2選手の新戦力を獲得。フォーメーション練習で連係プレーに磨きをかけている。

経営面でも着々と準備を進めてきた。水戸が発祥のカジュアル衣料大手、アダストリアがメインスポンサーに決まった。個人間の物品売買をアプリで仲介するメルカリ(東京・港)など、新たなスポンサーも獲得し、経営目標である「売り上げの2年連続倍増」に向け好スタートを切った。

茨城ロボッツが昨年から本拠地を置く水戸で注目を集めているのが、9月23日にオープンする「まちなか・スポーツ・にぎわい広場(M-SPO)」だ。テント式アリーナ、スタジオ、カフェ、緑のスペースなどで構成する2000坪近い敷地である。M-SPOの場所は東京でいえば銀座4丁目の角地に相当する、まさにど真ん中のど真ん中だ。もともとは東急百貨店があり、その後に総合スーパーのユニーに転換したが、モータリゼーションの影響を受けて、1993年から空き地となっていた。

時代の変化を象徴するこの場所が実に24年ぶりに、スポーツ・カフェ施設として生まれ変わることになる。その街中の一等地を動かしたのが、茨城ロボッツの運営会社である。プロバスケチームが街中の再開発に乗り出したのだ。この地を、スポーツやカフェを軸とする市街地活性化の拠点にするのが目的だ。

カフェ施設は一足早く8月にオープンした。オープンテラス式で、キッチンカーでドリンクとフードを作る。自然と足を運びたくなるとてもおしゃれな空間だ。僕の昔からの友人である、飲食店経営のバルニバービの佐藤裕久社長が二つ返事で快く引き受けてくれたのだ。

23日開設予定のアリーナは、ロボッツの練習や一般向けのバスケスクール、アウェー戦のパブリックビューイングなどに使う。チケット販売やファンクラブ募集の拠点にもなる。週末には横のドアを開放して、屋根付きの屋外イベント会場へと変身する。音楽イベントなどに使えるようにする。アリーナの前は子どもやペットと自由に遊べるスペースにする予定だ。

スタジオはこれからつくる。ロボッツのチアリーダーによるダンスレッスン、高齢者向けのヨガスクールなど多目的スペースとして活用する計画だ。グロービス経営大学院が水戸に設けた特設キャンパスも、ここでクラスを実施できないか検討している。

水戸市民はM-SPOの開設を一様に喜んでいるようだ。あちこちから「水戸がオシャレになってきた」という声が聞こえてくる。新しい風が起こっていることを肌で感じている。

現在、水戸の街中には茨城ロボッツのポスターがあふれ、マルイの電光掲示板にも表示され、駅前には垂れ幕がかかる。選手やチアリーダーは茨城県内で催されるほぼすべてのイベントに参加し、告知活動をしている。

茨城県は全国で唯一、県域テレビ局と県域FMラジオ局がない県だ。人と人との地道なふれあいの中で告知活動を続けることによってのみ、浸透するのだ。僕も今季も何度か駅前でチラシを配る予定だ。

M-SPOがオープンする9月23日の1週間後、30日にはいよいよロボッツのホーム開幕戦が水戸で開催される。ぜひとも勝利し、試合後はM-SPOに繰り出してロボッツのファンと勝利の美酒を味わいたいものだ。

そのためにもチームの力を高め、会場を満杯にするためのマーケティング活動に注力し、M-SPOの開設準備に奔走している。水戸市民の応援を受け、昨シーズンに成し遂げられなかった「B2制覇B1昇格」の夢を、今季こそは達成したい。

※この記事は日経産業新聞で2017年9月15日に掲載されたものです。
日本経済新聞社の許諾の元、転載しています。
 

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