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損益計算書(P/L)、貸借対照表(B/S)、キャッシュ・フロー計算書(C/S)は財務3表とも言われ、ビジネスパーソンの間ではすっかりお馴染みの存在となっています。財務3表から読み取れる会社の財務面に関する情報は豊富であり、財務3表の理解は会社の財務面での評価や経営上の様々な意思決定にも重要です。ところで、P/L、B/S、C/S以外に、第4 の財務諸表とも言える財務諸表があることをご存知でしょうか。

株主資本等変動計算書(Statements of Shareholders’ Equity、S/S)と言い、株主の持ち分である株主資本を含む純資産が会計期間(会計ルールでは1年)にどのように変動したのかを表す諸表です。実際の例(日産自動車の平成28年3月期 決算短信)を見ながら内容を説明します。

純資産の内訳項目ごとに1年間の金額の推移を要因とともに表しています。これにより、B/SやP/Lだけでは分かりにくい変動の内容がより明瞭に把握することができます。

例えば、「利益剰余金」を見てみましょう。日産自動車の前年度末の利益剰余金は、3,811,848百万円、当年度末の利益剰余金は、4,150,740百万円です。差額は、338,892百万円ですが、P/Lの当期純利益は523,841百万円です。両者の差額は184,949百万円であり、単純に前年度末の利益剰余金に当期純利益を足しても当年度末の利益剰余金に合致しません。そこで、株主資本等変動計算書を確認すると、当期純利益以外に配当金の支払いが157,239百万円、自己株式の消却等が27,710百万円あったことがわかります。前回のコラムで説明しましたが、支払配当金はP/Lには計上されません。一方で、支払配当金は利益剰余金を減らすため、利益剰余金の残高を把握するには支払配当金を考慮する必要があります。

次に、自己株式を見てみましょう。前年度末は148,239百万円、当年度末に148,684百万円です。変動の内訳を確認すると、当年度中に28,907百万円分の自己株式を取得し、一方で28,462百万円の自己株式を消却・処分していることがわかります。つまり、単純に差額だけの情報よりも詳細な変動の要因を把握することができるのです。

このように、株主資本等変動計算書はP/LとB/Sとをつなぐ「ブリッジング(橋渡し)」機能を果たしていると言えるでしょう。
 

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