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会議は「決め方」から決めよう

投稿日:2017/02/08更新日:2019/07/26

グロービスにおいては、限られた時間内で、グループでディスカッションをしながら考えを深めていく、という機会を多く設けています。しかし、学び始めの人を中心に、このグループディスカッションがうまくできない人がいます。意見がまとまらずに時間内に結論が出せない、もしくは結論を出そうとするがあまりに納得感が得られない、という状況に陥ってしまうのです。

「社内では会議は数多くこなしているのですが、実は素で議論するのは苦手・・・」そう感じている人は意外に多いのではないでしょうか。会議の大多数は、健全な議論によるものではなく、立場や影響力によって「なんとなく決まってしまっている」ということなのかもしれません。したがって、いざフラットな立場で議論を重ねて意思決定をしようとなると、うまく立ち振る舞うことができない人が出てくるのでしょう。

そこでひとつのコツを紹介します。それは、最初に「決め方を決める」ということです。
ここで言う決め方、というのは、

  • 決めるべき「問い」は何で、どういう構成なのか(What)を決める
  • そして、それぞれの「問い」をいつまでに決めるべきなのか(When)を決める
  • 意見が割れた時はどのように前進させるのか(How)を決める

というような、進め方に関する一般的な決めごとです。

私たちは、ディスカッションのテーマを与えられた瞬間、反射的にそのテーマについて頭を動かしたくなります。しかし、もし取り扱うテーマが複雑なものであれば、反射的な議論のスタートは、結果的に多くの時間を無駄にする可能性が高い。複雑なテーマであればあるほど、このような「決め方」そのものに意識を向ける必要があるのです。

ではもう少し具体的に見ていきましょう。まずWhatについて。複雑なテーマであればあるほど、いろんな論点がスパゲッティのように絡みあっています。その絡まりを解きほぐさないままにディスカッションをすれば、議論の収集はつかなくなるのは当たり前です。したがって、会議で答えるべき「大きな問い」は何か、その「大きな問い」に対して答えを出すためにはどんな「小さな問い」が存在するのか、その「小さな問い」はどういう順番で答えを出す必要があるのか、ということの交通整理をし、議論のフォーカスを決めておく必要があります。前回のコラム(参考:声が大きい人に会議で勝つための「ホワイトボード」の力)で紹介したように、これがホワイトボードでさっと整理できると議論は格段と進めやすくなりますね。

そして、それぞれの「小さな問い」に対して、いつまでに(When)答えを出すのかを考えておく必要もあります。つまり、1時間の会議内の話であれば、議論のタイムテーブルを決めることであり、それ以上の中長期の意思決定であれば、大まかなスケジューリングを決めることになります。議論の時間軸は意外に甘く見られがちなのですが、ご存知の通り、議論をしていると時間はあっという間に過ぎていきます。ここをおろそかにしていると、何も結論が出ないままにタイムオーバーということになってしまいます。

ではその時間内に決められなかったらどうするのでしょうか。そこで大事になるのが、詰まった時の打開策(How)です。スムーズに「全員一致」になるようなテーマであれば、打開策などはいらないのですが、テーマが複雑であればあるほど意見は割れるでしょう。そこで全員一致を求めていたら時間がいくらあっても足りません。多数決など打開策はいろいろあるでしょうが、最もシンプルな方法は、リーダーの一存で決めることです。「難しいことを後ろ指さされながらも決め切ること」がリーダーの役割でもあるわけですから。

しかし、このような「決め方」の基本動作については、理屈というよりも体で覚えることの方が百倍大切です。「意見が割れるテーマに対して、会議の時間内に方向性を打ち出さなくてはならない」というようなプレッシャー下でのトレーニングの反復を繰り返すことで、自分なりの型を身につけてしまうことが最短距離です。

会議やディスカッションの場では、頭は思うように働きません。その会議当日までに、どれくらい反復を通じて「原理原則」が体に染みついているかが問われるのです。どのような大きな意思決定であっても、多くのことは「小さな会議」によって決められていきます。来たるべき重要な「小さな会議」に臨むために、日頃からトレーニングを積み重ねていきましょう。

※本記事は、FM FUKUOKAの「BBIQモーニングビジネススクール」で放送された内容を、GLOBIS知見録用に再構成したものです。音声ファイルはこちら>>

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イラスト:荒木博行

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