職場問題を改善する「適応アプローチ」
メンタルヘルスを正しく理解するポイントは、医療依存アプローチと適応アプローチ(適応促進アプローチ)とを正しく理解し、必要に応じて使い分けることに尽きます。
まず下図の「見て見ぬふりアプローチ」「自己解決アプローチ」は論外として、医療依存アプローチとは、まさに疾病としてのメンタル不調を扱うものです。対象となる精神疾病には、外因性である脳血管障害・脳炎・アルツハイマー病など、内因性の統合失調症、うつ病などがあります。医療依存アプローチは医学のパラダイムに基づいて、疾病の原因(たとえば細菌感染など)を特定し、病気の原因を除去することが治療であり予防である、という考え方です*1*2。事実、右記のような疾病は医師の診断・治療抜きにすますことはできません。その一方で、医療に過度に依存しすぎると、本来なら職場のマネジメントで対応できるケースでも、「職場問題の改善の怠慢を、医学的な問題にすりかえる」という好ましくない考え方、行動がはびこってしまいます。

一方、適応アプローチは、メンタル不調の原因をストレスに求め、ストレスにうまく適応できているかが重要なポイントとなります(ストレスについては、本連載の第5回に掲載の予定)。またこのモデルでは、日常のリーダーシップ行動のなかで部下を勇気づけたり、相談にのったり、職務のサポートをしたりすることでストレス反応を軽減することを重視します。
多くのメンタル不調は、マネジメントやリーダーシップと大きな関係があります。したがって、この適応アプローチを適切に用いることで職場問題を解明し、職務ストレスを軽減するという改善効果を期待できます。それを理解・実行せず、メンタル不調を「医療依存アプローチ」のみに委ねていたことが、多くの企業の陥った過ちだったのです。
適応アプローチの流れをチャートで表したのが下の図です。メンタル不調は、無断欠勤が続く、情緒不安定になるなど、さまざまな形で現れます。健康や生命への危険を来すような状況が見られ、上司として「安全配慮義務*3」を履行すべきならば、医師による健康相談を最優先で勧めることが望まれます。

では、生命や健康へ影響するほどではなくとも、なんとなく元気がなく、ふだんの様子と異なる部下・同僚がいたら、どのように対処すればよいのでしょうか。その場合は、日々の仕事が良好にこなせているかどうかが、医療で対応すべきか職場対応で改善できるケースかの判別ポイントになります。極端に能率が落ちることなく、日々の業務がしっかりこなせているならば、職場の改善で対応すべきメンタル不調と考えられるでしょう。
また、リーダーシップを適切に発揮し、適切な人事施策を講じてもメンタル不調者が改善しない場合はどうすればよいでしょうか。多く見られるのは、仕事ではなく、プライベート面で何らかのストレスを抱えているケースです。本人の自覚を促すためにも、親身で適切な対応が求められます。
チャートからわかるように、職務ストレスとの関連性があるメンタル不調者には、適応アプローチに立脚したサポートが有効です。職場でうまくいかない、イライラする、能率が上がらない、気分が悪いといった多くの問題の解決がこれによって促進されます。
さらに、チャートに示したアプローチを理解することで、医療による対応、すなわち管理職が安全配慮を履行すべき、医師による健康相談をすぐに受けなければならないような事例に対しても、速やかな対応がとれるようになるのです。
まず下図の「見て見ぬふりアプローチ」「自己解決アプローチ」は論外として、医療依存アプローチとは、まさに疾病としてのメンタル不調を扱うものです。対象となる精神疾病には、外因性である脳血管障害・脳炎・アルツハイマー病など、内因性の統合失調症、うつ病などがあります。医療依存アプローチは医学のパラダイムに基づいて、疾病の原因(たとえば細菌感染など)を特定し、病気の原因を除去することが治療であり予防である、という考え方です*1*2。事実、右記のような疾病は医師の診断・治療抜きにすますことはできません。その一方で、医療に過度に依存しすぎると、本来なら職場のマネジメントで対応できるケースでも、「職場問題の改善の怠慢を、医学的な問題にすりかえる」という好ましくない考え方、行動がはびこってしまいます。

一方、適応アプローチは、メンタル不調の原因をストレスに求め、ストレスにうまく適応できているかが重要なポイントとなります(ストレスについては、本連載の第5回に掲載の予定)。またこのモデルでは、日常のリーダーシップ行動のなかで部下を勇気づけたり、相談にのったり、職務のサポートをしたりすることでストレス反応を軽減することを重視します。
多くのメンタル不調は、マネジメントやリーダーシップと大きな関係があります。したがって、この適応アプローチを適切に用いることで職場問題を解明し、職務ストレスを軽減するという改善効果を期待できます。それを理解・実行せず、メンタル不調を「医療依存アプローチ」のみに委ねていたことが、多くの企業の陥った過ちだったのです。
適応アプローチの流れをチャートで表したのが下の図です。メンタル不調は、無断欠勤が続く、情緒不安定になるなど、さまざまな形で現れます。健康や生命への危険を来すような状況が見られ、上司として「安全配慮義務*3」を履行すべきならば、医師による健康相談を最優先で勧めることが望まれます。

では、生命や健康へ影響するほどではなくとも、なんとなく元気がなく、ふだんの様子と異なる部下・同僚がいたら、どのように対処すればよいのでしょうか。その場合は、日々の仕事が良好にこなせているかどうかが、医療で対応すべきか職場対応で改善できるケースかの判別ポイントになります。極端に能率が落ちることなく、日々の業務がしっかりこなせているならば、職場の改善で対応すべきメンタル不調と考えられるでしょう。
また、リーダーシップを適切に発揮し、適切な人事施策を講じてもメンタル不調者が改善しない場合はどうすればよいでしょうか。多く見られるのは、仕事ではなく、プライベート面で何らかのストレスを抱えているケースです。本人の自覚を促すためにも、親身で適切な対応が求められます。
チャートからわかるように、職務ストレスとの関連性があるメンタル不調者には、適応アプローチに立脚したサポートが有効です。職場でうまくいかない、イライラする、能率が上がらない、気分が悪いといった多くの問題の解決がこれによって促進されます。
さらに、チャートに示したアプローチを理解することで、医療による対応、すなわち管理職が安全配慮を履行すべき、医師による健康相談をすぐに受けなければならないような事例に対しても、速やかな対応がとれるようになるのです。




