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経営教育を最高のエンタテインメントにする~グロービスAI経営教育研究所所長 鈴木健一

投稿日:2017/03/03更新日:2019/04/09

グロービスは2017年2月、「グロービスAI経営教育研究所」(GLOBIS AI Management Education Research Institute、略称GAiMERi)を設立した。アドバイザリーボードには安宅和人 ヤフーCSO、乾健太郎 東北大学教授、北野宏明 ソニーコンピュータサイエンス研究所所長、松尾豊 東京大学大学院特任准教授が就任。次世代経営教育モデルの確立を目指す。GAiMERi所長 鈴木健一(グロービス経営大学院教授)が、創設の狙いを語る。(構成:水野博泰=GLOBIS知見録「読む」編集長)

ハーバード・ビジネス・スクールの創立は1908年。現在まで100年以上にわたり、世界中のビジネススクールがハーバード式経営教育の影響を受けてきた。

教えるコンテンツは時代に合わせて変わってきたが、教室に集まって大勢が同じ内容を同時に学ぶというカタチはずっと同じ。確立され完成度が高いが、もはや古くなりつつある。

我々は時代に合わなくなったところを壊して、新しい経営教育を作りたいと思っている。学ぶ人それぞれのニーズや特性に、教育の方法や中身がピタリとパーソナライズされている状況を作りたい。そうなった時、経営教育は最高のエンタテインメントになるはずだ。

今はその目標達成までにかなり距離がある。これまでは手間やコストの壁を克服する手段がなかったので実現が難しかった。ところが、ICT、ビッグデータ解析、ディープラーニングをはじめとするAI(人工知能)、脳科学といったテクノロジーの飛躍的な発展によって、変革を駆動する道具が揃ってきた。今が経営教育に革新を起こす、その時である。その趣旨に、4名の超一流研究者の方々が賛同してくれた。

私自身の仮説は、「我々に見えていないこと、知らないこと、気づいていないことが極めて多い」ということだ。

例えば、グロービス経営大学院が3年前にオンラインMBAを始めた時、多くの人たちがこう考えた。

「教室の授業が最高。オンラインはその代替・サブセットに過ぎない」

我々も半信半疑だった。しかし、実際は全く違った。我々は教室での授業にあまりにも慣れすぎているのでそれが当たり前だと思っているが、教育の見える化という観点からすると、実は学習者を“埋没”させていることもある。教室では講師と生徒がインタラクティブにつながっていると考えられているが、そこにいるすべての生徒にとって本当にインタラクティブなのだろうか。講師の問いかけに対してすべての生徒が発言できているだろうか。一部の生徒とのインタラクションを横目に見て、自分もインタラクティブであると勘違いしていこともあるのではないか。

オンラインでは、講師がチャットで質問を投げかける。すると、生徒全員が一斉に自分の意見を書き込んでいく。他の生徒がどのような意見を持っているのか、自分とはどう違うのか一目瞭然だ。記録に残るから後でじっくり振り返ることもできる。常にカメラに向かっているから、気を抜いていられない。“内職”なんてとんでもない。

もしかしたら、オンラインは教室よりも優れた教育メソッドなのかもしれない(少なくとも教室のサブセットではない)ということに、我々もやってみて初めて気づいたのだ。

我々の足元にはまだ見たことのないチャンスがたくさん沈んでいる。だから、まずデータを取って「見える化」し、解析する。そして大胆な発想でモデルを作り、現場で試してみる。そのPDCAを最速で回していく。

経営教育の未踏領域、ワイルドウエストに一歩足を踏み入れた興奮を覚えている。
(談)

<グロービス・ニュース>

グロービス、「グロービスAI経営教育研究所」を2017年2月に設立へ
MBA教育の現場知見へのテクノロジー応用で次世代経営教育モデルを確立

グロービス(東京都千代田区、代表:堀義人)は2017年2月、「グロービスAI経営教育研究所」(GLOBIS AI Management Education Research Institute、略称GAiMERi)を設立します。国内最大のビジネススクールであるグロービス経営大学院、企業の人材育成や組織変革など教育現場から得られる知見と、AI(人工知能)をはじめとするデジタルテクノロジーや認知科学の発展がもたらすイノベーションを統合し、次世代の経営教育モデルの研究開発を推進します。所長にはグロービス経営大学院教授の鈴木健一が、アドバイザリーボードには安宅和人 ヤフー株式会社 CSO(チーフストラテジーオフィサー)、乾健太郎 東北大学 教授、北野宏明 株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所 代表取締役社長 所長、松尾豊 東京大学大学院工学系研究科 特任准教授の4名が就任します。

当初の研究テーマは大きく以下の3点を予定しています。

(1)学習データの収集と可視化、解析、分析評価
(2)学習コンテンツ、学習プロセス、ティーチングメソッドの最適化
(3)AIによる記述式解答(レポート、エッセイなど)の自動評価・採点と、個別フィードバック

■「グロービスAI経営教育研究所」の概要
【目的】国内最大のビジネススクールであるグロービス経営大学院、企業の人材育成や組織変革など教育現場から得られる知見と、AI(人工知能)をはじめとするデジタルテクノロジーや認知科学の発展がもたらすイノベーションを統合し、次世代の経営教育モデルの研究開発を推進する。
【開設】2017年2月
【体制】
<所長>
鈴木健一 グロービス経営大学院 教授

<アドバイザリーボード>(五十音順)
安宅和人 ヤフー株式会社 CSO(チーフストラテジーオフィサー)
乾健太郎 東北大学大学院情報科学研究科 教授
北野宏明 株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所 代表取締役社長 所長
松尾豊  東京大学大学院工学系研究科 特任准教授

――― グロービス・ニュース ―――

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