今日は大きく三つに分けてお話します。一つはなぜネット生保というビジネスモデルを立ち上げることになったか、それがなぜ今の時代に合うのか、ということです。我々は132億20万円の資本を調達しましたが、ここでは投資家の皆様を相手に行ったプレゼンテーションをそのまま紹介します。みなさん投資家になったつもりで、聞いてみて下さい。二番目は、会社ができるまでの裏話。実際に何があったか。どんなことで苦労したか、ご紹介します。そして最後に、ハーバード・ビジネス・スクール(以下、HBS)で学んだ事を振り返りたいと思います。
それは社名とロゴ作りから始まった・・・
会社をつくる際、まず会社名を決めて、ロゴを作ることから始めました。最初は安直に「イーライフ」にしようと考えましたが、議論の中で、「ネットライフが良いんじゃないか」ということになり、「ネットライフ企画」という準備会社を立ち上げました。
その後、生命保険会社に変わるタイミングで、どんな社名がいいか色々と考えたのですが、なかなか浮かばない。既存の生保会社の名称にどういうパターンがあるか。「日本生命」、「第一生命」という一般名詞。「明治生命」や「住友生命」などの財閥系。「チューリッヒ生命」のように地名を含むもの。「あいおい」や「きらめき」といった、ひらがな四文字系。
このうち、最初は信頼が大事だと思って財閥系の名前をつけたいと思ったのですが、当社は財閥系ではないので難しい。「そよかぜ生命」とか、ひらがな4文字の社名も考えてみたものの、やっぱり浮かばない。
そんなとき、著名なコピーライターの先生に相談したところ、「ネットライフ」をひっくり返して「ライフネット」にしたらすごく良いのではないかとアドバイスをいただきました。ネットライフというとインターネット生活の印象が強いけど、ライフネットにすると命をつなぐセーフティーネットのような語感があるし、何よりライフネットは母音が「あいうえお」の並びになって響きが良い。これならお客様に親しんでいただきやすいのではないか。そういうことでライフネット生命という社名になりました。
ロゴは、マネックスグループのロゴを考えられた松永真さんという著名なグラフィックデザイナーの先生にお願いしました。先生は我々の話を2時間ほど聞かれてから、何百枚と顔を書かれ、その中から「笑い過ぎず、笑わなさ過ぎず、ずっと見ているとホンワカした気分になる」ということで、この顔を選ばれたそうです。こうして、我々の思いが良く表れた、社名とロゴが決まりました。
世代、経験のバランスが取れた経営チーム
現在、株主が17社います。マネックスグループ(以下、マネックス)、政策投資銀行系のファンドである、あすかDBJ投資事業有限責任組合(以下、あすかDBJ)、三井物産、新生銀行、セブン&アイ・フィナンシャル・グループ、リクルート、朝日ネット、サンフランシスコのヘッジファンドFarallon Capital Management, L.L.C.、グロービス・キャピタル・パートナーズ、その他国内の機関投資家の方々に出資いただいています。
常勤取締役は4人で、非常にバランスの取れた面白いメンバー構成になっています。社長の出口治明は「還暦のベンチャー」などと報道されているように、ちょうど60歳。日本生命の中枢で勤めた長い経験があります。副社長の野上憲一はチューリッヒ生命日本支店という通販の生保会社の社長を8年務めた保険数理のプロ。大西又裕は大蔵省出身で保険行政に携わってきた行政のプロです。このように、30代、40代、50代、60代の4人がチームになっているのが当社の特色のひとつです。
会社を立ち上げるにあたって、世の中に我々の思いを伝えたいと思い、マニフェストという形で理念もまとめました。何か心配なときに会いたい存在になることを常に念頭におきたいと考えました。私達も一人ひとりのお客さまと同じ生活者ということを忘れない。友人や家族など大切な人にも胸を張ってお薦めできる商品しか作らない。そういったことを最初に公約として掲げています。
常勤取締役は4人で、非常にバランスの取れた面白いメンバー構成になっています。社長の出口治明は「還暦のベンチャー」などと報道されているように、ちょうど60歳。日本生命の中枢で勤めた長い経験があります。副社長の野上憲一はチューリッヒ生命日本支店という通販の生保会社の社長を8年務めた保険数理のプロ。大西又裕は大蔵省出身で保険行政に携わってきた行政のプロです。このように、30代、40代、50代、60代の4人がチームになっているのが当社の特色のひとつです。
会社を立ち上げるにあたって、世の中に我々の思いを伝えたいと思い、マニフェストという形で理念もまとめました。何か心配なときに会いたい存在になることを常に念頭におきたいと考えました。私達も一人ひとりのお客さまと同じ生活者ということを忘れない。友人や家族など大切な人にも胸を張ってお薦めできる商品しか作らない。そういったことを最初に公約として掲げています。
行政の手引きが“手厚い”生保業界
去年は特に生保の話題が新聞紙上をにぎわせました。不払い問題だけでなく、簡保の民営化や銀行窓販の解禁。これほど毎朝のように生保の話題が新聞に出るのは珍しかったと思います。生保は銀行と同じく許認可制の事業で、内閣総理大臣の免許が必要になります。我々は44社目です。
保険料の料率は2006年4月まで完全に大蔵省の認可事項でした。かつては銀行も金利が規制で決められていました。証券も取引手数料が決められていました。それが金融ビッグバンの流れで徐々に自由化された。しかし、生命保険の保険料はいまだに部分的に弾力化されているに過ぎず、当局の強い影響力がある。
これは考えてみるとすごいことだと思います。自由に競争できて、マーケットの需給によってプライスが決まる。弱いプレーヤーは淘汰され、競争が効率化されながら新しいサービスが生まれる。そういったものが資本主義の本質であるとするなら、生命保険業界には参入規制と料率規制がつい最近まで残っていたのですから。
初めて監督指針ガイドラインを開いたときは驚きました。例えば、「文字の大きさを8ポイント以上とすること」「記載事項について重要度の高い事項から配列する」「グラフや図表の活用などの工夫」と書かれています。普通の業界から入ってきた立場からすると、ここまで細かく行政の手引きがなされているのは非常に印象的でした。
当然、業界の公共性や安全性という観点からすると、規制があることは一概に否定できるものではありません。しかし、規制が業界に与える影響は大きいと思います。ちなみに欧米では参入規制、料率規制はそれほど厳しくないと聞いています。むしろ参入した後に、責任準備金を積んでいるかといった経営の安定性の部分で規制しているそうです。
保険料の料率は2006年4月まで完全に大蔵省の認可事項でした。かつては銀行も金利が規制で決められていました。証券も取引手数料が決められていました。それが金融ビッグバンの流れで徐々に自由化された。しかし、生命保険の保険料はいまだに部分的に弾力化されているに過ぎず、当局の強い影響力がある。
これは考えてみるとすごいことだと思います。自由に競争できて、マーケットの需給によってプライスが決まる。弱いプレーヤーは淘汰され、競争が効率化されながら新しいサービスが生まれる。そういったものが資本主義の本質であるとするなら、生命保険業界には参入規制と料率規制がつい最近まで残っていたのですから。
初めて監督指針ガイドラインを開いたときは驚きました。例えば、「文字の大きさを8ポイント以上とすること」「記載事項について重要度の高い事項から配列する」「グラフや図表の活用などの工夫」と書かれています。普通の業界から入ってきた立場からすると、ここまで細かく行政の手引きがなされているのは非常に印象的でした。
当然、業界の公共性や安全性という観点からすると、規制があることは一概に否定できるものではありません。しかし、規制が業界に与える影響は大きいと思います。ちなみに欧米では参入規制、料率規制はそれほど厳しくないと聞いています。むしろ参入した後に、責任準備金を積んでいるかといった経営の安定性の部分で規制しているそうです。




