グッズから企業のおかれた状況を推測する
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新たなテーマパークを構想したり、海外からの観光客を取り込んだりと、様々な打ち手があるが、どれも一筋縄ではいかないだろう。しかしグッズ販売はそれほどコストもかけずにすむ。同記事によれば、営業利益のうち、テーマパーク事業の構成比は実に86%(09年3月期)といい、顧客1人当たりの平均売上高は9473円。そのうち商品売上高は3195円(09年4〜9月期)と、およそ3分の1を占めるというから、売上=客数×客単価という単純な図式で考えれば、人気グッズが登場すれば、全体の売上、利益へのインパクトは非常に大きい。
同一の商品の買い換え、もしくは買い増しを促進することを「アップセリング」という。かつて、デルコンピューターは4年間で3台PCを買わせるというプログラムを展開していたという。デスクトップを買う。しばらくすると、ノートPCの買い増しのお勧めが来る。その後しばらくすると、デスクトップの買い換えのお勧めが届く。
とはいえ、そんなに簡単に買い増し・買い換えをしてくれるものではないが、ディズニーは易々とそれをやってのけた。ダッフィーとシェリーメイは別商品であるが、ファンでなければ同じクマのバリエーションだ。デスクトップとノートの違いぐらい。ゆえに、これはアップセリングである。それも、とびきり勝率の高い。
関連商品の販売を「クロスセリング」という。例えばヒューレット・パッカード(HP)では、同社はプリンタも製造しているので、もれなくパソコンとの併買のお勧めがくる。
ダッフィーのサイズ違い、キーホルダーなどは、クロスセリングだ。自分のダッフィーに感情移入し、人格(クマ格?)を与えている熱心なファンは、同時に2体自分の周りに存在させようとはしない。ゆえに、関連商品としてバリエーション展開をしてクロスセリングを図っているのである。当然、シェリーメイもバリエーション展開があるはずだ。
さらには、シェリーメイの登場によって、ダッフィーとペアの絵柄になった食器や各種グッズの発売も加速している。強力なクロスセルである。
顧客を囲い込み、使い続けさせることで利益を創出することを「アフターマーケティング」という。プリンタつながりで例示すると、プリンタは本体よりも専用インクで利益を出す。「衣装」はダッフィーのアフターマーケティングである。手作り派もいるが、手作りするような熱心なファンは公式の衣装セットもしっかり購入する。季節毎に販売され、売れ続ける。そして、シェリーメイの衣装も。
企業が顧客化した後に収益を上げられるパターンは、大きくアップセル・クロスセル・アフターマーケティングの3つだ。ディズニーはダッフィーでしっかりこの3パターンを用いている。そして、シェリーメイの投入で一気にそのパイを2倍に拡大したのである。やはり、恐るべしディズニーだ。
ちょっとしたグッズを見たときに、「くだらない子供のおもちゃ」などと決め付けるのではなく、そこにどんな背景があり、どのような売り方で、顧客の財布のひもをゆるめようとしているのか、じっくり推察してみよう。ちょっと大人なテーマパークの楽しみ方が出来るかもしれない。





