環境が整っていなくとも成果を出せるプレイヤーになれ(林)
最後に付け加えると、お金がポイントですよね。お金についてもっと勉強してください。キャッスフロー計算書がきちっと読めるように、日夜努力してください。
永沢:この「リゾナーレ」という場所で企業再生の話をするのは、非常に意義があると思っています。ここは旧ニチイグループ(その後マイカル)が立ち上げたリゾート施設で、同グループがいわば“大理石”として作ったものであります。
その施設を、再建請負人である星野リゾートが見事に再生させた。マイカルという企業は残念ながら破綻したけれども、その器を引き継いで志がある人が再生させると、ここまで蘇るのかなというのが、実感として伝わってきます。客単価もおそらく、マイカルが経営していたときの倍以上になっているはずです。
やはり、企業は人次第です。人という経営資源を、いかにうまく配分するかにかかっています。他の人にとっての“大理石”が、ピカピカの設備に生まれ変わったのが、この現場です。この音楽の森ホールも、まさに「こんな施設を作って、どう考えても割に合わないな」と思われるようなものが、このようなシンポジウムに使われるということは、大変意義のあることだと思います。
林:私はこの会議に参加は、今回が初めてですが、大変熱いですね。そういう意味でエネルギーが集積していると、「場」の力を感じます。
私は必ずしも再生案件ばかりに携わっているわけではないのですが、いまだプライベートエクイティの市場自体が日本においては、きれいにできあがっているわけではないんですね。そういう中で、日々もがいている立場から申し上げると、ビジネスをするにせよ、経営をするにせよ、整った環境で仕事ができるのはむしろまれなことだと思います。
「社会が悪い」とか「制度が悪い」とか、人のせいにするのは、例えばサッカーで、きちんと整地されていないから、芝の状態が整っていないから、とパフォーマンスが上げられない言い訳をするのと同じことです。しかし、サッカーをする喜びは、凸凹のグラウンドであっても、ネットがなくても、きちんとしたグラウンドでするのと同じように存在するはずです。
我々が今後、しなければいけないことは、環境が整っていないところでも成果を出せるプレイヤーとして、成長していくことだと思います。環境が整うかどうかに問題意識を向けたところで、すぐには変わりようがありませんから、言い訳をし過ぎることにもなりかねません。
そういう意味で「創造と変革」は、実はどんな環境であっても、いま自分がすぐにでも取り組めるものだということを、私自身がこの会議に参加して感じているので、皆さんにも共有させていただければと思います。
木村:“事業”そのものを再生すること、当たり前のことを当たり前にやること、日々できることをコツコツとやる、ということが、大きなメッセージだったと思います。どうもありがとうございました。




